本人の望む生活には自己の選択ができることが重要です。
よく入居者様とお話をしていると、「こうなりたい」「こういう生活がしたい」と各々が想い描く生活を聴かせていただきます。それと同時に、「寝たきりのままでいい」「誰とも会いたくない」といった発言もよく聴かれる言葉です。
では、「寝たきりのままでいい」「誰とも会いたくない」という選択を優先してしまったらどうでしょうか。
きっと、人と会わなくなることで会話する機会も減る。
身だしなみに気を付けることもなくなる。
など、あらゆる刺激が減り、恐らく本人が発した「寝たきりのままでいい」になる可能性が高まります。
これは専門職である私たちからしても避けたい生活像です。
なんとかこうならない為にも、私たちはどうしてその言葉を発したのかを知ろうとします。
そうすると、「寝たきりのままでいい」「誰とも会いたくない」の言葉の真意が、本当は人と会うのが好きだけど、こんな姿を見せたくない。
起きて外に出たいけど、今の身体じゃ無理でしょう。
というあきらめから発した言葉だったと気づかされることも多々あります。
その人らしい生活、あるべき姿を理解するためには、心の言葉をしっかり聴くことが大切だと感じます。もちろん実際の現場で必ずしも入居者様の望み通りにできないこともありますが、言葉の真意を知ろうとする姿勢は常に忘れずに関わりたいです。
その関わりが、できないと思い込んでいたことを、できるに変えてくれることも。あるべき姿になった瞬間の笑顔は、たくさんの方を幸せにしてくれます。
どうしたら本人の望む生活に近づけるのか。
一人一人の心の言葉をしっかり聴いて、時には代弁者となり、心からの笑顔で過ごして頂ける住まいであり続けられることを目指していきます。